君の手。僕の手。

ずっと龍也の服を掴み離れないようにしていた…

バイクの音が小さくなり止まった。

「璃香おりれる?」

龍也は大きな手で私の手を握る。

「ぅん…」

小さな声で答えた。

龍也はバイクの鍵を抜き目の前にしゃがんだ。

「乗れ。歩けんだろ」

「…」

「早く乗れって」

黙って龍也の背中にのった。

龍也は私をおんぶして家に入っていった。

もうすでに夜中の3時を回っているのに家に誰もいない…

龍也は二階に上がらずお風呂場に連れていきおろした。

「服脱いでシャワー浴びてこい…」

「…」

「璃香?」

「脱げないよ…」

「えっ?何で?」

「龍也がおるけん…」

「あぁ…ごめん。あとから着替え持ってくるけん」

龍也はその場を離れた。

服を脱ぎシャワーを浴びた…何度も何度も洗った…指を入れ流した…そしてまた泣いた…

「初めてがレイプとか笑える…」

泣きながら笑った…

気がおかしくなっていた…

お風呂から上がりタオルで体をふきタオルを体に巻いた。

お風呂場の鏡を見ると顔から血が流れていた…

ガチャッ…

「璃香」

振り向くと龍也が服を持っていた。
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