君の手。僕の手。
「お前血!」
龍也は慌てて近くにあったタオルで顔を押さえていた。
「押さえとけ」
そう言い龍也は消毒液とガーゼを持ってきた。
ズキズキと目元が激しく痛む…
「よし…服きとけ」
「ぅん」
龍也の上着を着るだけでぶかぶかだった。
「ズボンおっきぃ…」
だぼだぼっとしたスウェットを引きずりながら龍也の側に行った。
「上行ってて」
「えっ?」
「親に言ってくる。璃香ん家の番号教えていい?」
「ぅん…」
龍也はそう言ってリビングへ行った。
部屋に入り龍也のベットに潜り込んだ。
何も考えずただ布団に潜っていた…
「龍也…」
そう言い眠りについた。
冷たい風が窓から入ってくる…
龍也が優しく隣に寝て腕枕をしている…
暑い日差しが目を覚ました。目を開けると龍也が起きていた…
「龍也…」
「親には話した。でも璃香の親には彩華といるって言わせたから。苦しくなくなるまでここにいろ。学校も行かなくていい。」
嬉しかった…
「璃香の居場所はここだよ」
「ぅん…」
龍也…龍也のことは信じていい?
龍也を見つめ心の中でつぶやいた。
龍也は心配そうに見つめ頬をなでた。
ゆっくり龍也の顔が近付きキスをしようとする…
龍也を拒むように反射的に下を向いてしまった。