君の手。僕の手。

「龍也ぁ…」

レイプされてから一ヵ月いつもの様に窓からの日差しで起き、龍也の腕の中でうずくまり龍也をゆすって起こした。

「んー…眠い…」

「起きろーッ」

龍也の上に乗り抱き付いた。

「やめろってー」

龍也と笑い合いながらじゃれあう朝が大好きだった。

「おりろってー」

「やだぁ」

「…」

龍也が真剣な顔をして黙って上半身を起こし私の肩を押した。

「えっ…」

その瞬間龍也は上にかぶさりキスをした…

「ま…待って…ッ」

龍也は聞こえているはずの言葉を無視し無理矢理キスをし続けた。

「…ヤ…ダ…ッ…」

その瞬間…手が震え鳥肌が立ち涙が―…

龍也はそんな私に気付いたのか唇を離した。

「ヤダ…ッ…ヤダ…」

震える体を押さえるように自分で肩を抱いた。

龍也は呆然としていた…

「璃香…」

龍也はそっと抱き締めようとした。

「イヤァ!ヤダ…ヤダ…」

私はそれを拒否るように手を振り払った。

龍也…龍也も男なんだよね。

男はみんなこうやって性でしか愛情も埋められないの…?

そういうことしないと生きていけないの?

龍也…私…怖い…。

龍也が嫌いなんじゃない。

でも…怖いよ…。

あのときの光景が頭の中でぐるぐると回っていた。

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