君の手。僕の手。

涙が止まらなかった…





こんなに想ってくれてるのに何であたしは簡単に離れようとしたのかな…






龍也、待ってて。






立ち上がり涙を拭いて部屋を出た。






玄関の扉を開け龍也の家に向かおうとしていた。






「…龍…也…」






ドアを開けると龍也がいた。




龍也は黙ってあたしを抱き締めた…

「戻ってこいよ…」

龍也は強く抱き締めたまま離さなかった。


龍也の温もり…
龍也の香水の匂い…
龍也の腕の中…






たった半日離れていただけなのに全てが懐かしく感じていた…。





"龍也が大好き"



「龍也…」

龍也の腕の中でうずくまったあたしは苦しそうに龍也を呼んだ…



「俺頼りないけど璃香のこと幸せにしたい。」



ずっと待っていた言葉…






龍也…あたしは龍也を信じてもいいですか?





永遠じゃなくてもいい…



でも龍也と一緒にいて幸せだって思える日々を過ごしたい…。






切られた傷もレイプされて傷ついた心も全て龍也が癒してくれると信じていいですか…?





「俺と付き合ってくれ…」





風が吹き玄関から入ってきた夏の夜の風はとても冷たかった…。

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