君の手。僕の手。
「俺…璃香に言えなかった。璃香が一人になるのが俺は辛いから言えなかった…璃香の側にいたい…でも…」

「好き…」

龍也に抱き付き泣いた…
声が枯れるまで泣き続けた。


守ってくれるんじゃなかったの…ねぇ龍也…何で離れるの…そばにいてよ…お願い…龍也がいないとあたし…一人になっちゃうよ…


それに…


また同じことがあったら怖いよ…






誰が助けにきてくれるの…






「ごめん…」






「離れても…好きでいて…」


「璃香…遠距離…耐えられる?」

「わかんなぃょ…初めてだもん…でも…寂しいょ…」

「俺…璃香のこと離れても好きだから…」

「ぅん…」

「俺…引っ越したらバイトして璃香が来れるように金貯めるから。」

「龍也…行ってほしくなぃ…」

我慢してた言葉が出てしまった…

鼻がツーンと痛み一人になる恐怖と寂しさが涙となり一気に溢れ出た…。

ただ泣くことしか出来ないあたしを龍也は抱き締めながら頭をなでた…

きっと龍也は涙を我慢していたんだと思う。

大きく優しい手が震えていたのがわかった…。



お互い辛かった。

離れること…一人になること…全てが辛すぎた…



< 55 / 128 >

この作品をシェア

pagetop