君の手。僕の手。

6年生になり母親が夜に出て行く姿が当たり前になって…

涙も出ず…

何しているかも気にならず…


それから会えばけんかが当たり前になっていた。



"帰ってこないでいいよ"


母親に言った言葉が今でも後悔していた。


龍也の母親のおかげで母親の大事さ…温もりを思い出した…


「璃香ちゃんお家帰ってお母さんに謝らなきゃね…」

頭をなでながら龍也の母親が言った…

「お母さんきっと心配だったよ?1ヵ月も家に帰ってこなかったんだもん…どんな母親でも寂しかったと思うよ?」

「璃香…」

龍也がリビングに入ってきた…

「璃香…どうした?」

「ぅぅん…」

「龍也、今日璃香ちゃん家に帰らせてあげなさい」

「は?」

龍也は母親を睨んでいた…

「お前らのせいで俺ら離れなきゃ行けなくなったんだろ…そんなことまでお前に指図されなきゃいけないのかよ…」

「龍也…?」

あたしは震えた手で龍也の手を握った…

「今日は帰りたい…」

「璃香…」

「お母さんに謝りたい…」

「急にどうしたん…」

「今日だけ…明日になったらまだ戻ってくるょ…」

「でも…」

私達にはたった一日でも離れることが辛かった…

あと一週間の時間しかないのに…

一日も会えないことが寂しかった…。




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