君の手。僕の手。
龍也はあたしの腕を掴み部屋へ連れて行った。
部屋に戻り龍也はあたしを抱き締めた…
「本当に帰るのかよ…」
「一日だけだょ…」
「…ごめん、しつこかったな…」
「寂しい?」
「うん…」
あたしは背伸びして龍也にキスをした。
「一日だけ!」
あたしは龍也が寂しい気持ちわかってるよ…
たった一日かもしれない…
でも一ヵ月も毎日一緒にいた私達にとってはものすごい長い時間…
正直怖かった…
龍也は包帯を巻いた腕を掴みあたしを見つめた。
「切るなよ…」
あたしは龍也が握った腕を見えないように後ろに隠した…
「家まで送って!」
にこっと笑い龍也にお願いした…。
「おじゃましましたぁ!また来ます」
玄関のドアを締めて龍也のバイクに乗った…
龍也の背中をぎゅっと抱き締めて龍也の温もりを感じていた…
「じゃぁ…明日な」
龍也は寂しそうに言った。
「事故っちゃだめだよ!あと無免なんだけん捕まらんようにね!」
そう言ってバイバイした。
家に戻り部屋に入った…。
お母さんが帰るまで何しよう…
一人になり暇になった…
目についたのはカミソリだった。