君の手。僕の手。

包帯を外し…ミミズ腫れのようになった傷跡を眺めた…


「レイプされたんだよね…」


急に鳥肌が立ち吐き気がした…

「ん…っ…」

急いでトイレに入った…

「うぇっ…」






龍也…あたし龍也がいないとだめなのかも。


部屋に戻り泣いた…



龍也のそばにいたくて…

離れたくなくて…

家に帰らなきゃよかったって…後悔した。






「龍…也…ッ…」






寂しいよ…寂しい…

何度も龍也の名前を読んだ…。

けど龍也はそばにいなくて…

今…龍也が何をしているのかもわからず…

一人で泣いた…。




携帯が鳴り画面を確かめた。

"着信:龍也"

「璃香…?」

「ん…?なぁに…?」

涙をこらえて龍也の声に耳をかたむけた…。

「ううん…今着いた。それだけ。じゃぁな…」

龍也はそう言って電話を切ろうとした…

「龍也!」

震えた声を抑えつけ龍也を呼んだ…


「龍也…好き…」

「うん…」

「それだけ…」

「じゃぁ…明日な」

そう言って龍也は電話を切った…

涙が溢れ…体が震えた…

好きって言ってくれなかった龍也に対して不安を感じていた…

龍也に嫌われたのかな…

龍也はあたしが嫌いなのかな…

ねぇ…龍也…好きって言って…


< 60 / 128 >

この作品をシェア

pagetop