君の手｡僕の手｡

｢ﾊｧｯ…ｯ…璃香…｣

汗だくになった額を拭きながら息を途切れさせあたしの名前を呼んだ｡

その姿にあたしはもっと涙した…

｢ｯ…璃香…腕…｣

彩華は傷ついた腕を掴み涙目であたしを睨んでいた｡

｢馬鹿…｣

｢あたし…｣

急にあたしは震えだしその場に座り込んだ｡

｢璃香…切らないでよ…｣

彩華はあたしを抱き締め泣いた…

二人でその場に座り込み一緒に泣いた…


｢死にたい…ｯ…｣

その言葉のあとに彩華は黙ってあたしの頬を叩いた｡


｢最低…｣

彩華はあたしから離れ叫んだ…

｢死ねないくせに言わんでよ!璃香が死んだらたくさんの人が泣くんだよ!辛いのは璃香だけじゃないよ…｣

｢でも…彩華…ｯ…あたし…龍也がいないと…｣

｢苦しくなったらあたしに電話して。いつでも来るけん。璃香のとこに来るけん。｣

彩華の目は真剣だった。

あたしは彩華の言葉で叫ぶように泣いた…


彩華は知っていたの…？

龍也が引っ越すこと…

｢璃香の部屋行こ？ここじゃ見られるよ｣

震えた足を必死に立ててゆっくり立ち上がった…

部屋に戻り彩華の隣で泣いた…

涙は止まることなく何度も何度も頬を伝った｡