君の手。僕の手。

「何しとるん?」

あたしの目の前にしゃがみこみ頭をなでた…

涙が止まらず前が向けないまま靴を見た…。

龍也じゃなぃ…


「誰…」

「昂太」


龍也じゃないことにもっと涙した…


「何…で…ッ…」

「通りかかったけん…龍也さんは?」

「いない…」

「お前一人じゃ帰れんだろ。早く乗れよ」

昂ちゃんはあたしの手を引っ張りバイクの後ろに乗せた…。






家に着き家に上がろうとした…


「帰ったの?」

お母さんと玄関前で会った…

「お久しぶりです」

「…お友達?」

「昂ちゃんだよ。」

「あらあの昂太くん?」


懐かしい会話を玄関前でした…。



そして昂ちゃんはお母さんと会話したあと帰っていった…

久しぶりにお母さんと話すとき…

他人と話すかのように緊張した…


「…璃香の家はここだからね…お母さんたまには璃香の顔みたいな…」

お母さんはそう言ってお風呂に入っていった…

久しぶりに帰ってきてお母さんの口から出た言葉はそれだけだった。

優しい母がなぜか寂しそうで…苦しそうに見えた…。



部屋に戻り携帯を見た…

龍也に送った

"さみしい…"

のメールから携帯を見ていなかった…

画面には龍也からのメールがきていた…。



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