君の手。僕の手。

「何で帰ったん…」

「ごめん…」

「俺…嫌われたと思った…」

「龍也…あたし怖い…」

それからずっとあたしが怖い理由を全部話した…






龍也がいないと寂しいこと…

もしまた同じことがあったら…

龍也のいない生活が怖かった…






「会おう…」



龍也から出た言葉は優しすぎて…怖かった…






電話を切り…いつものコンビニまで歩いて行った…


空を見上げるといつも以上に星がきれいに見えた…

コンビニに着き龍也を待っていた…



バイクの音が聞こえ立ち上がると龍也がいた。

龍也はあたしのほうを見つめたまま動こうとしなかった…


龍也に近付き龍也のバイクの後ろに乗った。

いつもヘルメを渡さない龍也が今日はヘルメを渡した…


二人とも黙っていた…

ただバイクの風の音だけが耳に入っていた…

背中をぎゅっと抱き締め龍也の温もりを感じ目をつぶった…






このまま時間が止まればいいのに…

この幸せな時間が止まれば私達はずっと幸せでいられるのに…

どうしてこんなにも人生は意地悪なのかな…


"龍也…龍也の背中あったかい…"

心の中でたくさん龍也の名前を呼んだ…


"龍也が大好き"
 
< 68 / 128 >

この作品をシェア

pagetop