君の手。僕の手。
「何で帰ったん…」
「ごめん…」
「俺…嫌われたと思った…」
「龍也…あたし怖い…」
それからずっとあたしが怖い理由を全部話した…
龍也がいないと寂しいこと…
もしまた同じことがあったら…
龍也のいない生活が怖かった…
「会おう…」
龍也から出た言葉は優しすぎて…怖かった…
電話を切り…いつものコンビニまで歩いて行った…
空を見上げるといつも以上に星がきれいに見えた…
コンビニに着き龍也を待っていた…
バイクの音が聞こえ立ち上がると龍也がいた。
龍也はあたしのほうを見つめたまま動こうとしなかった…
龍也に近付き龍也のバイクの後ろに乗った。
いつもヘルメを渡さない龍也が今日はヘルメを渡した…
二人とも黙っていた…
ただバイクの風の音だけが耳に入っていた…
背中をぎゅっと抱き締め龍也の温もりを感じ目をつぶった…
このまま時間が止まればいいのに…
この幸せな時間が止まれば私達はずっと幸せでいられるのに…
どうしてこんなにも人生は意地悪なのかな…
"龍也…龍也の背中あったかい…"
心の中でたくさん龍也の名前を呼んだ…
"龍也が大好き"