君の手。僕の手。
龍也の腕の中…
龍也の温もり…
龍也の手が頭をなでていた…
龍也の香水…
サムライの優しい匂い。
夢の中でも龍也がいた…
バイクに乗って迎えに来てくれる龍也…
その映像は飛び飛びで…
龍也とあたしは喧嘩をしていた…
一人部屋で誰かと話すあたし…
携帯を落とし…
また映像は変わり車に乗るあたしがいた…
光りがまぶしく窓から差し込みあたしは泣いていた…
知らない男の人があたしの名前を呼んだ…
「龍也は…」
嫌な予感がしたあたしは目が覚めた…
起きたときあたしは冷や汗をかき泣いていた…
「…璃香?」
龍也は眠たそうにあたしの名前を呼んだ…
「どうしたん…」
「ぅぅん…何か怖い夢見た…」
龍也は黙って抱き締めてくれた…
「俺がついとるよ」
「ぅん…」
その夢はまだあたしには理解出来ない夢だった…。
あの夢は何だったのかな…
少し不安になったものの優しい龍也の温もりでまた眠りについた…。