君の手。僕の手。

「…香…璃香…」

龍也に揺すられて目を覚ました…

時計は夜11時近くになっていた。

「出かけてくる」

「…」

「璃香…?」

ここでうなずけば龍也はあたしから離れる気がした…

「どうした?」

龍也から目をそむけずっと下を向いていた…

「…?」

「どこ行くん…?」

「さっきも言ったやろ?友達んとこ行ってくる」

「行かんでよ…」

「もう時間ないけん…すぐ戻るけん待っとって」

「やだ!行かんでよ!」

あたしは龍也の服の裾を掴んだ…

「…黙れよ」

「…ぇっ?」

「黙れよ!離せ!」

「龍…也…」

急に龍也はキレた…

何も出来ずただ驚きを隠せなかった…

怖くなり裾を掴んだ手が力をなくし裾から離れた…

急なことにあたしは泣き出し胸がギリギリと傷つけられるように痛かった…

龍也はあたしを置いて出て行った…。

外から龍也のバイクが出て行く音がした…


龍也が離れる…

龍也が…

あたしから離れる…

やだよ…

龍也行かんで…

会わんで…お願い…。

それから20分たち涙も出ずただぼーっと龍也の帰りを待っていた…。

携帯が鳴り…画面を見た…。

"着信:昂ちゃん"

「もしもし…」

「お前…今どこおるん」

昂ちゃんの声は暗かった…


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