君の手。僕の手。

「龍也の家…」

「龍也さんは?」

「出かけた…」

「コンビニ?」

「わかんない…何で?」

「龍也さん…コンビニにおるけん」

「誰とおるん」

「…」

「昂ちゃん…教えて…誰とおるん」

「前の彼女さん…」

電話を切り走ってコンビニまで行った…

無我夢中で走った…


龍也…お願い…

あたしの龍也でおって…

龍也からしてみればうざい女かもしれん…

でも…

あたしだって龍也が好きなんよ。

龍也がおらんと…

龍也…ッ…



この角を曲がり信号を渡れば龍也がいる…


そのとき角にはバイクに乗った昂ちゃんがいた…


「昂ちゃん…龍也は…」

「おるよ。でも今は行かないほうがえぇよ…」

「何で?龍也取られちゃう…」

「行くなよ…」

昂ちゃんは腕を掴み行かせようとしなかった…

「離してよ…行かせてよ…」

「まだ待ってろ…冷静になっていけ。」

昂ちゃんはあたしを落ち着かせるためにまだいくなって言ってくれていた…


少し冷静になりゆっくり龍也がいるコンビニの駐車場まで行った…

近付けば近付くほど二人の会話が耳に入ってきた…

聞きたくない…

でも…

取られるは一番嫌だ…

「いい加減にしろって…」

龍也の言葉が聞こえた…


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