君の手。僕の手。
キーンコーンカーン…
チャイム音が鳴り止む前に終わった朝礼に少し気が緩みぐたっと顔を机に乗せる。
「ねぇねぇねぇねぇ!!!」
緩んだ力をビクッと反応させたのは彩華だった。
入学してから最初に仲良くなった茶パツで八重歯の可愛い彩華。
無邪気に笑う彩華にかまってられるほど…
今は力がない。
「うるさいなぁ…なに?」
「きのう、リュウジ先輩と一緒だった!?」
興奮する彩華を横目に冷静に返答する私。
「うん…で?」
「付き合ってるの?」
顔はにんまり、声は真剣で私を真っ直ぐに見つめる彩華
「ん~…まぁ一応」
「あんたが声かけられたときに調べたけど、あの先輩けっこーモテてるらしぃよ~」
「ふ~ん…」
本当?
心の中ではかなり動揺していた。
「璃香、気をつけり」
彩華はポンっと肩を叩いてにんまりしたまま席に戻った。
そのあとから気になって気になって授業なんか集中していられなかったっけ。