君の手。僕の手。
「あっちぃなぁ!」
ヒロが涙目になりながら言った。
「うわぁ…龍也がおらんくなるとか考えきらん!」
聡君も言った…
龍也があたしの体を抱き締めた腕を離した。
二人で左を向くと4人が涙目でにこにこ笑っていた…
「別れたら俺許しませんよ!」
昂ちゃんが言った…
ねぇ龍也…こんな優しい仲間に囲まれて私達幸せだね。
引っ越すだけなのにこんなにいっぱい集まってくれて…
龍也が羨ましいよ…
明日は笑ってバイバイしなきゃね…。
龍也の家に帰り最後の片付けをした…。
「龍也ぁ…」
「んー?」
龍也は服をバックつめる手を休めあたしの隣に近付いた。
「浮気とかするなよー」
「浮気ぃ?そんなん出来んて」
「わからんやん」
「璃香だけが好きだって」
龍也は頭をなでながら優しく笑った…
片方の手を強く握り龍也の胸に耳を当てた…。
「どうしたぁ」
「龍也の心臓の音がするー」
「生きとるんだけん当たり前た」
龍也は胸に耳を当てるあたしの頭を抑えつけずっと離さなかった…
「龍也…この音落ち着く…」
龍也の手の温もりと龍也の心臓の音…
忘れないようにしっかり焼き付けたからね。
次会ったとき…またこうやって龍也の心臓の音聞けたらいいな…。
龍也…大好きだよ…。