君の手。僕の手。
No.10//:存在

大きな手の温もりが頬によみがえり…涙が溢れた…

龍也はもうここにいない…

龍也が渡してくれた小さな箱をぎゅっと握りしめ立ち上がろうとした…

震えた足は一歩ずつ確かめるように前へ進んだ…

龍也と歩いたこの道をゆっくり一人で歩いた…

ゆっくり歩き遠回りをしてコンビニの前を通った…

龍也ときたコンビニ。

龍也がほっぺにキスしてくれた…

龍也が元カノといた…

龍也は俺だけの女って言って抱き締めてくれた…

このコンビニの前を通り龍也との思い出をかみ締めた…



家につき重い足を動かして部屋に戻った…


ベットに寝転び天井を見上げた…

「龍也…」

握った小さな箱を見つめ龍也の名前を呼んだ…

涙は目からこぼれ耳に落ちジュクジュク…っという音が耳の中に聞こえた…

「あたし…一人になっちゃった…」

"璃香"

龍也が隣にいる気がして横を向いて寝てみた…

でも龍也はいなくて…

ただ一人でベットに寝ていた…


コンポをつけ龍也の部屋に流れていた音楽を聞いた…

ベットに座りぼーっとして龍也からもらった小さな箱を開けた…

小さな箱の中には小さくおられた紙があった…その紙を見ようと取ったときに下から見えたのはシルバーのきれいな指輪だった…。


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