君の手。僕の手。
指輪の入った箱を台に置き小さくおられた紙をゆっくり開いた…
何度も曲げなおしたせいか汚くなった紙に書かれてある龍也の文字…
たった2行の文章…
紙の上に涙がこぼれ落ち文字が滲んだ…
「龍也のばか…」
震えた声で手紙に向かって言った…
離れるときに直接聞きたかったよ…
龍也の笑った顔が頭から離れず目を閉じればずっと龍也の笑顔が見れた…
手紙を握り布団に潜って泣いた…
龍也の温もりがないこのベットは冷たくて…寒くて…言葉じゃ表せないくらい寂しかった…
泣いてたらいつも頭をなでてくれるのに…
ねぇ龍也…龍也は何でいないの…?
「ャ…ッ…龍…也…ッ」
何度も何度も布団の中で龍也の温もりを探した…
龍也が隣にいるわけでもないのにシーツを掴み必死で龍也を探した…
握った汚い手紙はぐしゃぐしゃになりもっと汚くなり涙で滲み文字が見えなくなった…
苦しくて…
寂しくて…
あたしの生活の中心になった龍也…
あたしの中で大事で大好きな人…
龍也が引っ越してあたしは誰を頼っていけばいいのかわからず一人になった恐怖でいっぱいだった…
涙を拭いて龍也の手紙をもう一度見た…
"璃香のことがずっと大好きだけん。
離れても大好きだけん。"
汚くなった手紙に書いてあった2行の文章…
元の文字に戻ることはないままあたしは小さな箱に直した…。