君の手。僕の手。
涙が止まらず震える手を必死に動かして頬を伝って流れる涙を拭いた…
何度も何度も拭いた…
「龍…也ぁ…ッ…」
苦しくて…寂しくて…怖くて…
何度も龍也の名前を泣きながら叫んだ…
「何で…ッ…何で…龍也…おらん…と…ッ…」
龍也のばか…
守ってくれるって言ったじゃん…
そばにおってよ…
一人にせんでよ…
龍也…龍也…
急にドアが開き彩華が部屋に入ってきた…
あたしは振り向くことも出来ず…
ずっと…震えていた…
彩華はビニール袋をあたしの口に持ってきて押さえた…
「落ち着いて…」
彩華は背中をさすってくれた…
それは龍也の母親のように優しかった…
だんだん呼吸が落ち着いてきた…
彩華は龍也と同じようにあたしを抱き締めてくれて頭をなでてくれた…
「…寂しかったね…龍也君いないと璃香だめだもんね…」
彩華の言葉は優しく胸に響いた…
「いつも龍也君にこうされよったとだろー?」
彩華は聡君から龍也の伝言を聞いていた…。
"璃香は寂しがりだからもし泣いていたら抱き締めて頭なでてやってくれん?そうすれば落ち着くけん"
それを彩華は覚えていた…
優しく彩華は頭をなでながら話してくれた…。