君の手。僕の手。

それから一ヵ月…また一ヵ月…龍也が引っ越してから約三ヵ月はたっていた…

季節は変わりもう冬になっていた。

あたしはちゃんと家に帰るようになり一人の時間も寂しい気持ちがなくなっていってた…

久しぶりに龍也に電話をかけた…。

「龍也?元気してた?」

「久しぶり…んー風邪ひいとるっちゃんねー…」

「大丈夫?暖かくせなんよ?」

久々の龍也の声…

あのときあたしは必死に泣いていた…

なのに今は安心して涙はでなくて龍也があたしの彼氏だってことがわかってればそれでよかった…

「うわぁー久々に璃香の声聞いて落ち着いた!俺なかなかメールも電話も出来んけど璃香のこと大好きだけん!」

「あたしも龍也が大好きだよ!」

そんな会話が懐かしかった…

龍也と離れて最初は怖かった…

でも今は一人でいられる。

ねぇ龍也あたし少しは成長出来たかな…?


「寂しいけど待っとって」

「ぅん…」

寂しくなりお互い泣きそうになったから電話をきった…

「龍也…」

箱に入った指輪を眺めた…

三ヵ月前のことを思い出して布団に潜り込んだ…

あのとき必死で泣いていたあたしはもういない…

ただ静かに涙を流すだけだった…

明日になればまたみんなと会える。

そう思い泣こうとしなかった…。



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