君の手。僕の手。
クリスマスが近付き街に行けばカップルが多かった…。
「璃香は今年どうするん?」
「んー…」
「みんなで飲み会する?」
「そんないいよ!だって聡君と一緒にいたいやろ?結美だってヒロに告るんやし…邪魔やん!」
そんな会話を3人でしながら買い物をしていた…
彩華は聡君に…
結美はヒロに…
それぞれの物を買っていた…
「璃香は買わんと?」
「んー悩み中」
「璃香!これよくない?!」
彩華が指さしたのは名前が彫刻できるプレートピアスだった。
そのピアスに一目惚れして彫刻を入れてもらった。
1セットにはtastuya…
もう1セットにはrika…
小さなプレートに小さく刻まれた名前を見て龍也の笑顔を思い出していた…。
プレゼントを買って彩華の家に戻った。
久しぶりに女だけになりいろんなことを話した。
「璃香の彼氏さんの話聞きたい」
結美はあたしに言った。
重い口をゆっくり開きあたしは全てを結美に話した。
リュウジのこと…
龍也と聡君と出会ったこと…
レイプされたこと…
龍也が迎えにきてくれたこと…
そして遠距離になったこと…
あたしは龍也の笑顔を思い出して泣いていた…。
そしてクリスマスイブの2日前…
12月22日にあたしは龍也に手紙と一緒にピアスを送った…。