君の手。僕の手。
日付が変わって23日になり夜中に珍しく龍也から電話がかかった。
「何しよったぁ?」
「寝ようとしたとこ。何かあったん?」
「何もないよ…ただ声聞きたかっただけ…眠い?」
「ぅぅん。あたしも龍也の声聞きたかった…」
本当はずっと寂しかった。龍也と連絡があまり取れなくなってずっと不安だった…。
「バイト…何のバイトなん?」
「あー…」
龍也は言いにくそうにしていた…
龍也がメール出来ない時間は決まって夜から朝そして昼だった。
「昨日で辞めて来週から友達の親の鳶手伝うよ」
「そっかぁ…で、昨日までは?」
「短期間で稼ぎたくて夜してた…」
あたしにはまだわからなかった。
龍也の暗い声には何かがあるはず…
でも深く聞くことは出来ず話をそらして違う話をたくさんした。
「そろそろ出かけるから電話切るわ」
龍也はそう言って電話を切った…。
もうすでに朝の6時を回っていた…。
携帯を握り締めたままあたしは眠りについた…。
明日はクリスマスイブ…龍也に送った手紙は明日につく予定だった…。