あなたの傍で…
すると…。



―ガバッ



私たちは誰かによって引き離された。



「神谷くん?」



「神谷?」



「そうだけど。なにしてんの?」



「なにって…。」



「相田さん、泣いてんじゃん。」



「桃?本当だ。嫌だったのか?」



「ち…違うよ!幸せすぎて…。」



「相田さん。本当に?」



「うん。」



「そっかならいいんだ。ごめん邪魔して。」



そういって神谷くんは去っていった。



「桃…。本当に嫌じゃなかったんだろ?」



「うん!むしろうれしすぎて死んじゃいそう!」



「ははは。死んだら俺一人になっちゃうじゃん。」



「そっか。」






このときはまだまだ幸せだった。


だけどあんなことが起こるなんて、あんなことで私たちはバラバラになるなんて思ってもみなかった。


誰にも分からなかった。


だって今の私たちはすっごく幸せだったから…。
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