あなたの傍で…
真実



「勢いで来ちゃったけど…。」


そうここはもう麗央の家だった。


ドアに手をかけた。


しかし鍵がかかっていてあけることはできなかった。


インターホンを鳴らしても出てくる気配はまったくない。


すると隣の家のドアがあいた。


「あ、ーお隣の渡さん引越されましたよ。」


その一言で私はその場に崩れ落ちた。


は?麗央が?昨日まではずっと一緒にいたのに…。


昨日の麗央とのやりとりがまるで夢だったように頭をよぎる。


その場で泣き崩れ、少しの間泣き続けた。





次の日、学校で麗央が引っ越したという噂でもちきりだった。


私はもう笑うのが辛かった。


私から「笑顔」という2つの漢字が消えた。


「桃…大丈夫?」


「うん…。」


真実ちゃんはそんな私でもずっとずっと傍にいてくれた。
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