moon
ある日、またしても友達から壱がTVに出るって聞いた。

見たくないのに、見たい気持ちが勝って、やっぱりTVをつける。

そこには笑顔の壱。
アナウンサーの女の人と楽しそうに話す壱。
やっぱり見なければ良かったと思ってTVを消そうとする。

『壱さんは、人気でお仕事が大変だと思われますが、誰か支えてくれる人がいるんですか?』

アナウンサーの声。

リモコンを持つ手を止めた。


『そうですね〜。小説を書くようになって随分経つんですが...。いつも見守ってくれる人がいますねその人の笑顔にいつも癒されています。』

『それは、”大切な人”と言ってもいいのでしょうか?』

ここぞとばかりに食いついてくるアナウンサー。

『そうですね。大切な人です。恥ずかしいからTVに出るのもいつも秘密にしてるのに、なぜか知ってるんですよね。』

TVの中で笑って話す壱。

ねぇ、それは私のことって思っていいよね?
勘違いじゃないでしょ。



心の中にあかりが灯った気がした。
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