春風が通りぬけるとき。
気持ち。
「………ん」
重たい瞼を無理やり開き、身体を起こしながらベッドを降りて、カーテンをゆらゆらとゆっくり開く。
強い日差しに思わず目を細めた。
(……朝、だ)
どうやら昨日、あのまま眠ってしまったらしい。
最近はいつもこうだ。 泣いたら疲れて寝る毎日の繰り返し。
前までは田原が萌の彼氏と分かっていても、ここまで酷くはなかった。
やっぱり泣いたけど、でも仕方ないって踏張ることは出来たのに。
それがもう、出来なくなってしまった。 仕方ないと頭の中では思っても心がいうことを聞いてくれない。