春風が通りぬけるとき。


家に帰るなり靴を脱ぎ捨てる様に脱いで、すぐに自分の部屋へと階段を早足で駆け上がる。

扉を勢いよく開ければ、いつもの見慣れた部屋。

カーテンは淡い水色、ベッドのシーツも枕も布団でさえ青色をしている。

水色はとても好きだ。 凄く落ち着くし、冷静さを保つことが出来そうだから。

でもそれと同時に、ひとつ思ったこと。

恋をしてから、人を好きになってから、水色は、青色はどこか冷たい色だと感じるようになってしまった。

大好きだった水色が、あまり好きでなくなってしまった。



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