春風が通りぬけるとき。


「…井上さんはどうしたいの?」

「え?」


突然訊ねられ、意味が分からず首を傾げる。


「相手を想うのは自由よ」

「先生…?」


困惑気味に声をかけるが、彼女はそれを気にする素振りはみせずに話しを続ける。


「…貴方は、彼を想い続けていたいの? それとも応援がしたいの?」

「それは…」


真帆はその答えを直ぐに出すことが出来なかった。



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