春風が通りぬけるとき。
決意。
階段を音をたてないよう気を配りながらも素早く上がる。
一年生の教室がある階に辿り着くと、近くにある水道まで足を滑らせた。
この階まで行くとき、幸いにも教師や事務員とはすれ違わなくてすんだ。
保健室がある一階で顔を洗ってもいいのだが、すぐ近くに三年の教室があるのでなんとなく使うのに気が引ける。
その為、こうして急ぎ足できたのだ。
どうせあの教室に戻るのだからここで洗ってしまった方がいい、と。
水道の蛇口を捻る。
すると水が勢いよく流れ出た。
手をその流れを塞ぐ様に入れれば、思わず顔をしかめる。