春風が通りぬけるとき。
どうして、貴方を好きになってしまったのだろうか。
何処で一体間違えてしまったのだろうか。
(田原だけは、好きになっちゃ駄目だ)
そう、何度もブレーキをかけてきたはずなのに。
どうして、そればかりが頭を霞める。
何度も何度も。 何の嫌がらせかと笑いたくなる程に。
笑いたくなるのに、涙が止まることは決してない。
(どうすれば、いいのかな…)
誰に問い掛けているのだろう。
神かそれとも魔王か、はたまた、自分自身にか。
いくら問い掛けても答えは返ってこないと、真帆はちゃんと理解している。
けれども、それを止めることが出来ないことも分かっていた。