春風が通りぬけるとき。


「……分かった」


頭を掻きながら、縦に頭を振る。


「校舎裏で待ってる」

「…おぅ」


彼は短くそう返し、机を避けながら今度こそ男友達のところへ歩いて行く。

真帆も机とクラスメートの合間をぬいながら席についた。


(……大丈夫)


軽く息を吸い、吐く。それを何度か繰り返し自らを落ち着かせる。



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