春風が通りぬけるとき。


フラれて哀しいのかもしれない。

痛いのかもしれない。

苦しいのかもしれない。


告白出来て、ちゃんと返事を返してくれて。

ありがとうって言われて。

……ふたりを、応援することが出来るかもしれないって。

嬉しいのかもしれない。


そんな、様々な感情がごちゃ混ぜになって涙としてあらわれる。

けれど真帆自身、そんなことはどうでもいいし、既に考えられる頭じゃないだろう。

今の彼女は、声が枯れてでも無性に泣きたくて叫びたい。

その気持ちでいっぱいなはずだ。



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