春風が通りぬけるとき。


彼を忘れられる方法があるのならば、嫌いになれる方法があるのなら、是非とも教えてもらいたい。

忘れたい。

こんなにこんなにも悩まなければいけないくらいなら、知り合いたくなかった。

今すぐにでも嫌いに、大嫌いになりたい。


そう思うのに。


それと同じくらい、強い気持ちが自分自身にあるのを知っていた。

出来れば気付きたくなかったし、知らんぷりしたい。

でも、出来ないの。



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