春風が通りぬけるとき。
腕枕に頭を乗せたまま、青々としたシーツになんとも近距離でため息をつく。
その状態で床に座り込んだまま寝る、という可笑しな態勢のせいで、どうやら腰を痛めてしまった。
が、なんとか半ば無理矢理に重い身体を起こす。
(ぐ、腰だけでなく頭も未だに痛い…)
一気に年をとった気分だ。
いや、頭痛は関係ないか。
(……将来、こうなるのかな)
それは嫌だな…、とどうでもいいことを考えられるほどまでに真帆は落ち着いていた。