春風が通りぬけるとき。
だってそれは、初めてあの人に感じた想いだから。
好き。
それは一見軽いようで、甘い誘惑のような、キラキラしたもの。
“好き”には種類がある。
友達の好き。
家族の好き。
─そして、恋愛の好き。
真帆が田原風太(タハラフウタ)に対して、当てはまるモノはひとつ。 恋愛の好き。
それは、甘いだけじゃない。
それだけじゃ終わらない。終わってくれないだろう。
苦く、張り裂けそうになるくらい痛くて、哀しくもなる。
切なく、なる。