春風が通りぬけるとき。


「まーほー!」


ふたり、というか萌が叫びながら近づいてくる。

彼は黙々と彼女の後を追う。


「萌と、田原……」


真帆もふたりと同じ様に止めていた足を再び動かす。


「萌、待った?」

「ううん、あたし達も今来たとこ」

「そっか…」


(じゃあちょうどよかったのか)


ホッと息を吐く。



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