春風が通りぬけるとき。
彼女自身、もしかしたら気を使ってこんなことをしているのかもしれない。
(けど、いつもこんな感じだった様な気も…)
うーんと彼女の存在を忘れてひとり思考を巡らせる。
「真帆ってば!」
「うぇ…?」
「やっぱり聞いてない!」
プクゥと頬を可愛らしく膨らませる。
それをじっと見つめた後、真帆は何を思ったのか手を伸ばしてそれを潰した。
「ブッ!」
「……クック」
瞬時に顔を背け、笑いを堪える田原。