春風が通りぬけるとき。
春の季節
青空の下で。
目的地に潜入し、三人並んで通りを歩く。
勿論、萌を真ん中にして。
「でねー、…あ」
「どうしたの?」
話していた彼女が急に止めるので疑問を浮かべる。
それは彼も同様だったみたいだ。
「風太! 真帆! あそこのお店だよ!」
キラキラと目を輝かせる萌を横目に、視線を彼女が言うお店に移す。
その店は、女子高校生向きの可愛らしいお店。
どうみても、可愛いもの大好きな子集まれー!な雰囲気がその店から溢れている。
(…萌、こういう感じの好きだもんね)
真帆自身も、決して嫌いではないが萌ほどではない。
どちらかというと、彼女の場合は可愛いものより格好いいものの方が好きだ。