桜吹雪


 美菜乃ちゃんは、ぱぁ っと花が咲いた様な明るい笑顔で


「ホント!?!? 嬉しい~~! 春姫が協力してくれるなんて! ありがとー!」


 自分で言ったくせに、もう 後悔してる。

 言わなきゃ良かった。



 協力なんて……したく…ない。


 あれ? でも、なんで?

 美菜乃ちゃんは、いい友達なんだから、応援 したあげようよ


 そぅ、自分に言い聞かせても
 後悔は、消えなくて…


「うん」


 それしか言えない自分に嫌気がさす。


「じゃあ、指切りげんまんね♪」

 と言って 笑顔で、細くて長い 小指を出す 美菜乃ちゃん。

 ためらいながら 私も小指を差し出す。


「ゆ~び切りげんまん♪――」


 その間、ずっと

 今なら間に合うよ。

 今、ごめん って言えば、間に合うよ。

 私の心がそう言ってた。


 あの時、自分の心のままに行動してれば、あんな事にならなかったのかな?

 でも、その時は、そんな事 しるはずもなかった……




 やっぱり、私は 先生に


 恋 してるのかもしれない。




 その時、気づいたのは その事実。



< 21 / 32 >

この作品をシェア

pagetop