桜吹雪

 1時間 考えたあげく、

 勇気を出して 電話をしてみる事にした。


 一つ一つ、緊張で震える指先で番号を打っていく。

 打ち終わっても、何度も間違いは無いか、確認して、

 深呼吸。


 あー、どうしよう


 発信ボタンを押すだけなんだけど、そのボタンの上に、指はあるんだけど、

 どうしても 押せないー!


 ―― ピッ ――


「え?」


 ―― プルルルル ――


 やばーー かかっちゃった!

 なんで?

 あーもう!


 パニックになりながら、耳に携帯を当てる。


 ―― プルルルル プルルルル ――


 この時間がとてつもなく長く感じる。

 
< 26 / 32 >

この作品をシェア

pagetop