桜吹雪

 やっぱり、そこにいるのは、紛れもなく、美菜乃ちゃん

 しかし、今の美菜乃ちゃんは、いつもの天使スマイルはなく、睨むような目付きで、私を見ている。

 固まる私。

 とっさに笑顔を作ろうとしたが、ひきつり、墓穴を掘ってしまった。


「ねぇ、春姫? どうなの?」


 決して、声を荒らげたりはしないが、冷静に聞いてくる。

 いつもの美菜乃ちゃんとは違いすぎて、物凄く怖い。


「あ、ああ、あのね」

 しどろもどろになりながら、誤解を解くように、ゆっくり話始める。


「私は、ホントに、先生の事、なんとも思ってないよ?

 あのね、多分、美菜乃ちゃんと一緒に保健室に行った日だと思うんだけど、

 私のポケットに連絡先が書いてある紙が、入っててね……」

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