超能力学園
「はは…蓮、お前らずっとこんな目で見られてきたんだな…。」

「お前も含めて。」

「わりぃ…。」





まぁ、匠は変わってくれたから。




さて、と。





なにも喋ってない桃華連れて逃げるか?





「言っとくけど!あたしは匠みたいにあんたら化け物に近寄る気ないから。」

「陽!」





余計なこと言いやがって。




言わなくても知ってるから黙ってろ!





とは、あえて言わないけど。






「…蓮、もう行け。桃華連れて。だいたいの事情は読みとれたから。」 

「あぁ。行くぞ、桃華。」

「…あたしは!」





ひこうとした手は、放しはしないけど動こうともしなかった。




そのかわり、桃華が声を出した。





「桃華…?」

「これからもずっと、陽の存在におびえて暮らすなんて出来ない。あたしは…強くなるために逃げない。見てて、蓮。」





静かに笑った桃華。




けど、手は震えてる…。





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