超能力学園
「あたしは自分のことも友達のことも、大切な人のことも忘れちゃったんだ…。」

「桃華?」

「なのに自分じゃ取り戻せない…。超能力がほんとなら、あたしはなんでそんな力を持ってるの?意味ないじゃん!記憶がない…。」

「落ち…着いて?」

「あたしはどうしているの?怖い…自分が怖い!」

「桃華!」






奈留ちゃんがあたしを抱きしめてくれた。







「あたしが全部教えるよ。桃華のことも、友達のことも。蓮くんのことは蓮くんがきっと教えてくれる。」

「でも…」

「いつか戻るよ、大切な記憶。戻らなくても、また作ればいいでしょ?」








奈留ちゃんのおかげで、あたしは落ち着いた。





冷静だと思ったのは、パニックしてたのを勘違いしちゃったんだ。






「失ったことを悲しんでられない…。」

「え?」

「思い出す努力をしなきゃ…。」

「桃華…」

「よし!やってやる!」

「ふふ、根っこは桃華のまんまだね?」






奈留ちゃんが優しく笑ってくれた。





それから、学校のことやあたしのことをたくさん話した。





思い出せなかったけど。






「奈留ちゃん。お願いがあるの。」

「なに?」

「明日…あたしの彼氏さんをここに呼んでくれないかな。」

「…わかった、言ってみる!」






なんかドキドキするなー…。






< 254 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop