超能力学園
「キスで戻らなかったら?」

「それは…。わかんない。」







どうしてあたしの能力は役に立たないんだろう。






記憶を操るちからなのに…。







「蓮くん。あの…。今パッと思いついたこと言っていい?」

「あぁ。」

「蓮くんの力で…戻せる?」






その場で思いついたこと。





ただの思いつき。





だけど、それを言ったら蓮くんは悲しそうな顔をした。








「お前までそれ言うんだな?」

「え?」

「…わり。知らないもんな。」






なにを?





前は知ってたの?





言っちゃいけなかったのかな…。







「キス、してみる?」

「え?あ、あぁ…なんか…恥ずかしいよ…。」





悲しそうな顔なんてしてなかったみたいに戻った蓮くん。






あたしは心に引っかかったまま。





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