好きなのに。
「おはよ。」
「おはよっ!」
登校は、いつも通り、加奈と一緒だ。
幼稚園の頃から一緒で、何より信用している友達。
「誰と一緒かな?」
「加奈は、大貴君となりたいんでしょ~!」
そう、おちょくってみる。
だんだんピンク色に染まっていくほっぺ。
「・・・うん。」
あら?こんなに加奈って可愛かったっけ?
いつもなら、こんなにも素直には答えないのに。
これも、春の魔法かもしれないね。
「そういう茜も、裕也君とはどうなの?」
「うへへ…♪春休み、毎日メールしてたんだぁ♪」
思い出すだけでも、顔がにやけちゃうぐらい、幸福な時間だった。
「キャーッ!!!同じクラスになれるといいね?」
「そうだね~…♪」