【歪童話】眠りの森の茨姫
希は剣を腰に携え立ち上がりました。
城は暗く、外は半月が空高く昇っています。
世界はしんと静まりかえり、誰かの寝息が希の耳に聞こえました。
希はぐっと唇を噛んで、国の外に広がる広大な森を見つめました。
「姫、約束の時がまいりました」
希はローブを翻し、城を出て行きます。
「……希様!?」
起きていた門番が驚いて叫びます。
「伝えてほしい。私は約束を果たしに、茨の森に行くことを。父……国王に」
「い、茨の森ですか!?危険ですよ!」
「危険ではないよ」
希はふっと笑いました。
「姫が待っているんだ。助けにいかなくては」
そう言って希は闇の中に消えていきました。
「必ず、貴女を救います。奏姫……!」
城は暗く、外は半月が空高く昇っています。
世界はしんと静まりかえり、誰かの寝息が希の耳に聞こえました。
希はぐっと唇を噛んで、国の外に広がる広大な森を見つめました。
「姫、約束の時がまいりました」
希はローブを翻し、城を出て行きます。
「……希様!?」
起きていた門番が驚いて叫びます。
「伝えてほしい。私は約束を果たしに、茨の森に行くことを。父……国王に」
「い、茨の森ですか!?危険ですよ!」
「危険ではないよ」
希はふっと笑いました。
「姫が待っているんだ。助けにいかなくては」
そう言って希は闇の中に消えていきました。
「必ず、貴女を救います。奏姫……!」