希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
――――ガッシャーン!
家へ帰ると何かが壊れる音がした。
あたしたちはのんきに靴を脱ぎ、おまわりさんは急いでリビングへ駆けあがった。
「全く!!貴方はいつだってそうよ!私に何でもかんでも押しつけて!!私のコトを道具としか見てないのよ!!」
「誰もそんなコト言ってないだろう!!美恵子、落ちつけっ!!」
あたしがリビングを覗いた時には音の原因の割れた皿が散っていた。
―――まるであたしたちの家族を示しているようだった。
「何やってるんですか!!やめなさい!!」
さらに皿を割ろうとする母の手をおまわりさんは必死に掴む。
「やめて!!止めないで!!」
あたしはため息をつくと父の横に置いてあったペットボトルに手を伸ばす。
「いつまでこんなコト繰り返すつもり?・・・バカみたい」
あたしの言葉に母の動きは止まり、父は目を見開き、亮介はオドオドとあたしの後を追うように2階へ上がった。
「あ、おまわりさん」
あたしは階段からひょっこり顔を出す。
「こういうコト。・・・分かってもらえた?」
あたしはおまわりさんの返事なんて聞かずに部屋に戻って行った。
早く
早く。
この闇の世界から
あたしを連れ出して・・・―――