希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
あたしは自室に入ると同時にベッドに倒れ込んだ。
慣れていたつもりだった。
ヒステリックな母の撒き散らす暴言も、無関心な父の空っぽの愛も。
最初から分かってたのに。
改めて痛感する。
きっと
“愛のない家庭で育ったあたしは
誰の愛にもなれない”
あたしはそう思う。
貧しくていい。
お金なんて要らない。
愛さえあれば…
考えれば考えるほど、枕が涙で湿っていた。
―――コンコン
「亮介だけど…いいかな?」
あたしは涙を拭うと、明るく返事をした。