希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
闇を抱えて
あたしはいつもより早く目覚めた。
「・・・4時?マジかよ・・・」
あたしは制服に身を包み、誰もいない住宅街をゆっくりと歩く。
もちろん校門は空いてない。
それでも良かった。
今はただ、ゆっくりと歩いて、現実から目を背けたかった。
あたしは校門につくと、鉄の門に寄り掛かった。
ケータイを開くと昔の彼氏たちからのメール。
『紗恵がいい』
『紗恵に逢いたい』
(そんな言葉をただミミズのように綴ればいいと思ってんの?)
あたしは削除を押す。
「こんなの要らない・・・」
あたしは乱暴にケータイをかばんにしまう。
欲しいのは・・・
欲しいのは、いつも・・・
「――――何やってんだ?」
いつも・・・