希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~


「ねぇ、センセ?・・・暇つぶし、付き合ってよ」


「え?」


「いいじゃん。・・・そしたら教えてあげるよ。あたしの家のコト。」


「あ・・・ああ」


言う訳ない。


ただ、傍にいてほしかっただけ。


「あたし、運命ってあると思うの。」


「運命?ずいぶんドラマチックなコト言うなぁ・・・」


「・・・でもそんな綺麗なもんじゃないよ?人生には2つの運命があるの」


「2つ?」


「そっ。2つ。・・・1つは生まれる前から決まってたいい運命。」


あたしは笑いながら言う。


あたしには来るはずのない運命の話をしていると、自分に失笑する。


「もう1つは、生まれる前から決まってた悪いサダメ。」


「サダメ・・・」


「あたしは後者だよ。死んでも」


分かっている。


あたしの未来は、最初から決まってたみたいに



息を吸って吐くたびに



闇に染まり続ける・・・―――





< 18 / 53 >

この作品をシェア

pagetop