希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
「ねぇ、センセ?・・・暇つぶし、付き合ってよ」
「え?」
「いいじゃん。・・・そしたら教えてあげるよ。あたしの家のコト。」
「あ・・・ああ」
言う訳ない。
ただ、傍にいてほしかっただけ。
「あたし、運命ってあると思うの。」
「運命?ずいぶんドラマチックなコト言うなぁ・・・」
「・・・でもそんな綺麗なもんじゃないよ?人生には2つの運命があるの」
「2つ?」
「そっ。2つ。・・・1つは生まれる前から決まってたいい運命。」
あたしは笑いながら言う。
あたしには来るはずのない運命の話をしていると、自分に失笑する。
「もう1つは、生まれる前から決まってた悪いサダメ。」
「サダメ・・・」
「あたしは後者だよ。死んでも」
分かっている。
あたしの未来は、最初から決まってたみたいに
息を吸って吐くたびに
闇に染まり続ける・・・―――